MI・RA・Is モバイル活用事例
電子カルテ × スマートフォン 「まだ終わりじゃない!」医療DXへの挑戦で進化し続ける病院に。
病院名 | 医療法人社団如水会 今村病院 |
所在地 | 佐賀県鳥栖市轟木町1523番6号 |
病床数 | 247床(一般病床:173床、回復期リハビリテーション病棟:30床、地域包括ケア病棟:44床) |
佐賀県鳥栖市の今村病院様は、地域に根差し急性期医療を強化している総合診療・救急告示病院です。
2019年8月に電子カルテシステム「MI・RA・Is」を導入、モバイル・スマホに対応した医療安全支援機能もご利用いただいています。
医療DXの推進に力を入れており、デジタル化推進委員会を発足し、積極的に活動されています。
導入の背景や活用方法について、看護課長の池邉(いけべ)様と、事務管理部の高山(たかやま)様にお話を伺いました。
動画でのインタビューはこちら
医療DX推進委員会のきっかけを教えてください。
高山様 理事長から医療DXを進めていこうという話があって、2022年に東京の病院を見学に行きました。院内で見学内容を共有したときに、今後もこういった情報共有の場を設けたいという話がでたんです。それがきっかけで、デジタル化推進委員会ができました。
池邉様 スタッフの意識が変わって、普段からアンテナを張るようになりました。ChatGPTなど、医療以外の情報を集めるようにしています。他にもこんなに便利なものがありますよって、どんどん共有されるようになりました。
高山様 今は理事長と事務長、医事課長、人事、看護部からメンバーを集めて、毎月1回話し合いや情報共有をしています。
これまでの検討内容を教えてください。
高山様 理事長は「患者様をお待たせしない」を1番に考えているので、呼び込みシステムや予約システムなどの検討が多いです。コロナ禍の時は、待ち合い室で待たせない工夫を話し合いましたね。他には「今患者様に何ができるのか」 という考えから、予約や後払いのシステムを検討しました。
池邉様 初めから無理だと判断するのではなく、「まずやってみる」ということを大事にしています。もっと高め合えないかなというのを常に考えています。
看護課長 池邉様
導入のきっかけを教えてください。
池邉様 ノートパソコンをナースカートに乗せて運ぶとガタガタと音がするので、夜間ラウンドの際は患者様の睡眠を妨害しないか心配していました。ノートパソコンにバーコードリーダーを繋いで三点認証をしていたのですが、電波の調子によっては読み取れないこともあったんです。
患者様のベッドサイドは点滴や呼吸器があるので、バーコードリーダーが届かないこともあって、限界を感じていました。
医療安全の対策室からも、このままでは医療事故が起きかねないと言われていました。 スタッフからiPhoneで三点認証をしたいという声もかなり上がっていて、その声に応えたいと思っていました。その時期にモバイル活用と医療安全支援機能のお話を聞いて、これしかないと思いましたね。
運用開始時の工夫を教えてください。
池邉様 新しいものって、最初は抵抗がある人も多いと思うんです。なので、今日は誰がiPhoneを使うのか決めていました。
医療安全支援機能を使うことが当たり前になってもらいたかったので、使い方を丁寧に説明しながらiPhoneを配って回りました。
今ではみんな医療安全支援機能に慣れて、iPhoneに搭載されている機能も有効活用しています。
例えば、タイムスケジュールに合わせてタイマーを使ったり、点滴の流量が変わって計算をし直すときに電卓を使っています。
私の方がびっくりするくらい使いこなしていますよ。
iPhone 導入台数の決め方を教えてください。
高山様 本格的に導入する前に、運用が可能かどうかレンタルで試してみました。 レンタルの結果を踏まえて、最小構成の13台でスタートしました。そのうちの7 台は3階病棟に導入しましたね。
モバイル運用が浸透して現場から「iPhone が 足りない」という言葉が出たときに、追加を検討しています。先月もHCUに4台追加して、今は計17台で運用しています。
今後もスタッフの要望に合わせて、追加していく予定です。
どんなところに導入の成果を感じますか?
池邉様 ナースカートの音を気にする必要がなくなりました!自分の身体と点滴1つで患者様のところへ行けて、更新ができる。何より音がしないことが非常に良いです。
あとは、アクセスのしやすさですね。iPhoneを肩から下げているので、患者様のバーコードを読み取りやすいです。バーコードリーダーと違ってコードがないので、患者様のバーコードに届かないことがなくなりました。
「コードが届かなかった」という理由がなくなったので、しっかりと三点認証するようになりました。
導入時に不安だったことはありますか?
池邉様 「仕事中に携帯を触っている」と患者さんから誤解されないか不安でした。実際に導入してみると、そのような声は上がらなかったので安心しました。iPhoneのケースを特殊な形にしたので、その影響かもしれません。
他に使用している機能はありますか?
池邉様 三点認証だけでなく、バイタルや看護介入の入力も医療安全支援機能からしています。
あとは写真ですね。撮った写真を電子カルテに転送しています。フルHDなので、血管もはっきり見えますよ。当院は褥瘡の患者様が多いので、褥瘡の診療計画書によく使っています。
全員分のパソコンはないので、パソコンの空きがないときは医療安全支援機能から入力ができます。入力方法を選べるようになったので、とても便利になりました。
残業時間に変化はありましたか?
池邉様 残業が減りました! 仕事をする中で残業が減ったことを実感しましたし、実際にデータを見ても減少していました。残業の平均値が明らかに去年より下がっていたんです。スタッフも業務にかかる時間が短くなったと言っていました。
入力に費やしていた時間が削減されたので、患者様のところに行く時間も増えました。私たち看護師の仕事は患者様と接することなので、以前より患者様のために行動ができるようになったと感じています。
スタッフの声に応えるための工夫を教えてください。
池邉様 病棟にQRコードを貼って、スタッフからアンケートを取っています。現場の声はとても大事なので、「欲しいって思うなら声を出そう!アンケートに書こう!」とスタッフによく言っていますね。
意見をただ吸い上げるだけではなくて、真摯に対応したいと思っています。アンケートに答えてもらうと、スタッフの声が理事長に届いて、現場に本当に必要なものを分かってもらえます。自分の声を拾ってもらえたと感じると、スタッフの満足感にも繋がりますよね。
今、委員会で検討していることを教えてください。
高山様 情報伝達の方法を検討しています。今は張り紙や電話で情報を伝達していて、効率の悪さが課題です。災害発生時の安否確認にも使えますし、効率的な情報伝達が行えます。自分の好きな時に確認できるのもいいですよね。
あとはAIですね。申し送りや先生からの連絡をAIで要約できたらいいよね、と前回の委員会で話しました。
今後の構想について教えてください。
池邉様 「医療安全支援機能を導入して助かりました」とスタッフからよく言われます。でも、私はそれで終わりではないと思っています。
例えば、今後は内服の確認をバーコードで行いたいと考えています。
これからもスタッフの声にどんどん応えて、挑戦を続けていきたいです。
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